お手本はジャニーズ 日本ブーム背景に“後追い”を大量生産
90年代に「日本ブーム」が終焉
だが90年代に入ると、ヒップホップをコンセプトにしたアイドルが10代を熱狂させる時代が訪れる。契機となったのは、1992年にデビューしたソテジワアイドゥルの大ブレークだ。続いて1996年、後に東方神起や少女時代を輩出するSMエンターテインメントから男性5人組グループH.O.T.がデビュー。ヒップホップを意識したアレンジ、高度なダンスを追求するパフォーマンス、また練習生を育成してメンバーに仕立てるシステムといったK―POPの原型は、このH.O.T.で確立された。
90年代とともに、韓国の日本ブームは終わる。入れ替わるように始まったのが、日本の韓流ブームだ。それから十数年を経て、K―POPは日本に影響を与える立場となった。ますます世界へ進出していくその勢いは、まだ一向に止まる気配がない。(つづく)
▽高月靖(たかつき・やすし) 1965年、神戸市生まれ。ノンフィクションライター。韓国事情や性事情など各種社会事象を扱う。主著に「在日異人伝」「キム・イル 大木金太郎伝説」「独島中毒」「ロリコン」「南極1号伝説」などがある。