「闇の将軍シリーズ」主人公は角栄、安倍・菅政治を批判
新宿御苑前の劇場サンモールスタジオで展開中のJACROW「闇の将軍シリーズ」一挙3作連続上演(作・演出=中村ノブアキ)は今の安倍―菅政治への強烈な批判とも読み取れて面白い。
主人公は元首相・田中角栄。“今太閤”として栄耀栄華を誇るも、ロッキード事件で逮捕。その後、「闇将軍」として歴代自民党内閣を裏から操りながら、“子分”に裏切られ、病に倒れるなど、不遇な晩年を送った。
第1作「夕闇、山を越える」は角栄が政治家として脚光を浴び始めた1950年代が背景。
1957年の某日、料亭で秘密の会合が行われている。この年の2月、病に倒れた石橋湛山内閣を引き継ぎ、岸信介が「居抜き内閣」として前内閣の全閣僚を留任、外相兼任のまま第56代内閣総理大臣に就任した。
憲法改正をもくろむ岸は、内閣からリベラル派を一掃しようと画策。その員数そろえとして角栄を自派に引き込もうと画策する。
一方、共に「百姓の出」で角栄の盟友・大平正芳は池田勇人が旗揚げした宏池会に角栄を引き入れようと懸命になる。「自主防衛もいいが、その前に国民がみな貧しさから抜けて等しく豊かになるのが先決だ」と。