政治的報復で狙い撃ちに…韓国“経済大統領”李明博氏の功績
韓国の李明博元大統領が収監された。横領や贈収賄などの罪で懲役17年のほか、罰金130億ウオン(約12億円)や追徴金の実刑判決が確定したのだ。
李明博氏は78歳なので、恩赦がなければ95歳で出所となる。
罪状はなんであれ、こうなった背景には文在寅大統領の“政治的報復”があるとみられている。李明博政権下の2009年5月、前任の盧武鉉氏が自殺に追い込まれたが、文大統領は弁護士時代から盧武鉉氏の仲間であり、側近中の側近だった。
韓国では新しい政権が誕生すると、“前政権狩り”が起こる。盧武鉉氏も大統領の任期を終え、新たに李明博大統領が誕生すると、不正資金疑惑で検察の捜査を受けた。取り調べが続く中、自宅の裏山で投身自殺したのだ。
当時、盧武鉉氏の死についてはさまざまな臆測が流れ、他殺説まで飛び出したが、このとき「家族に遺書を残し、山から飛び降りた」と声明を出したのが今の文大統領だった。李明博政権による“前政権狩り”で恩師を失ったのだ。
その李明博氏は、政界入りする前は大企業「現代建設」の社長にまで上り詰めた人物だ。ソウル市長になってからは経営者としての経験を生かし、手腕を発揮。ソウル中心を流れ、ソウル市民の憩いの場となっている全長6キロの「清渓川」は、李明博氏が掲げた復元工事による人工河川だ。街の中心部に広々とした「ソウルの森」も造成している。