張り込みの珍事 矢沢永吉が「悪いけど送ってくれないか」
芸能記者にとって張り込みは日常の仕事。成果が出ればいいが、外れもある。結果によって疲労感は雲泥の差となる。
張り込みは事前のロケハンから始まる。いかに見つかりにくく、周辺に迷惑をかけないかだが、場所や時間によってはアクシデントが起こる。そのひとつが近隣住民からのクレーム。「何時間も路上に車を止めて、中に怪しい男の人がいる」と警察に通報が入る。やがて自転車に乗った警官が来るのが通例だが、時にはパトカーのサイレンを鳴らしてくる。「なにかあったのか」と他人事のように思っていると、それが我々だったりして驚いたこともある。
「ここでなにをしているのですか」と職質が始まる。「張り込みしている」と正直に言うのが基本。変にごまかしてバレた場合、ややこしいことになるからだ。ただし、なんの目的で誰を張り込んでいるかは絶対に言わない。
事情を聴いて、理解してくれる警官もいれば、退去命令する人もいる。厳密に言えば、天下の公道だ。駐車違反や不法侵入など違法行為がなければ問題はないはずだが、大使館など要人警護付近の張り込みは難しい。それを知ってか、大使館近くに住む芸能人も少なくない。