テレ朝「七人の秘書」“闇の仕置き人”の最終決戦が見ものだ
7人の登場人物が一つのチームとなり、何かを成し遂げる。黒沢明の「七人の侍」(1954年)以来、繰り返し使われてきた黄金パターンだ。
60年代のドラマ「七人の刑事」やイタリア映画「黄金の七人」。70年代の「太陽にほえろ!」や「特捜最前線」も主要メンバーは6~7人だ。2000年代には「7人の女弁護士」もあった。
今期、脚本の中園ミホを含む「ドクターX」の制作チームが繰り出してきたのが「七人の秘書」だ。銀行常務秘書(木村文乃)、警視庁警務部長秘書(菜々緒)、都知事秘書(大島優子)ら6人と元代議士秘書(江口洋介)の計7人。立場を利用して悪事を働いたり、弱い者を虐げたりする連中を懲らしめる彼らは、いわば「闇の仕置き人」だ。
しかも7人全員が苦い「過去」や「事情」を抱えている。その人物設定がしっかりしており、物語に奥行きがある。たとえば大学病院長秘書のサラン(映画「新聞記者」のシム・ウンギョン)。
彼女が、自分と母親を捨てた外科医の父親(リリー・フランキー)と再会する場面は、医療とカネの関係に踏み込む展開と相まって光っていた。
また、ラスボス的存在の財務大臣を演じる岸部一徳も、「これぞ悪役」のいい味を出している。初の女性総理を狙う都知事(萬田久子)を陰で操り、権力のためなら何でもする男。秘書たちとの最終決戦が見ものだ。