酒井くにおさん 春団治師匠に誘われた「飛田でもう一軒」
先輩相手だからとおるも断れず、酔っぱらって舞台に出て、私は紋付き袴に吐かないかそればかり心配で、終わった後はとおるを担いで帰りましたよ。
その日、私は全然飲まなかった。私まで泥酔したら困るでしょう(笑い)。正月は落語家さんも無礼講で飲んでましたしね。笑福亭松鶴師匠なんて3分くらいで舞台降りちゃうんだもの。頭下げた時に落語の台に頭をゴーンとぶつけてね。その音がマイクに入っちゃって。袖で見ていて「すごいなぁ」と。
お客さんも芸人に飲まそうと盛り上げますし、それはそれで面白かったですよ。
私はここ何年か病院通いして、医者から「お酒やめてくださいね」と言われたので、もう5、6年飲んでません。だから友達もずいぶんいなくなりました(笑い)。もう年なんでしょうね。
お正月も2月も仕事が決まってますので、まずは体を万全にして。前はよく通っていた近所のワインバーはマスターがひとりでやってるから、飲めるようになったら応援しに行きたいですね。
(聞き手=松野大介)
▽本名・酒井国夫(さかい・くにお) 1948年5月、岩手県出身。70年に弟の幹男と漫才コンビとして活動。上方お笑い大賞金賞、上方漫才大賞などを受賞している。「バラエティー生活笑百科」(NHK)などテレビやライブで活躍。