「喜劇 お染与太郎珍道中」小劇場役者勢揃いの贅沢娯楽作
小劇場の人気俳優たちが大挙して商業演劇の殿堂・新橋演舞場に出演し話題を呼んでいるのが本作。主演は渡辺えりと八嶋智人(劇団カムカムミニキーナ)。
芸巧者の2人を中心に小劇場の人気俳優を配し、技とひねりを利かせる小劇場ファンにも大満足の仕上がりとなった。
舞台は江戸随一の米問屋「江戸屋」。主の久兵衛夫婦の一人娘のお染(渡辺えり)はお出入りの大名・赤井家の若侍・島田重三郎(宇梶剛士)と良い仲。
ところが重三郎は主君の命令で京都の藩邸に呼び戻されてしまう。
おまけに赤井家からはお染を殿様の側室に差し出せと無理難題。
窮したお染は重三郎の後を追って京に向かうことに。しかし道中の危難を心配する久兵衛夫婦はお染に付き人を伴わせることに。白羽の矢が立ったのは手代の与太郎(八嶋智人)。丁稚にもバカにされるドジで間抜けな男だが、無類のお人よし。お染の付き人にはうってつけ。いざという時には助け舟を出す鳶の頭・べらぼう半次(太川陽介)もこっそり付き従う。