3.11から10年…900トンの猛毒デブリの始末はどうするんだ
国会のぶざまより、はるかに始末に負えないのは、東電の福島第1原発の1号機から4号機までの水素爆発後の廃炉作業のざまだ。震災から10年経ったが、使用済み核燃料どころか、溶け落ちた核燃料(デブリと呼ぶ、世界中でここにしかない900トンもの猛毒の塊)を、どの号機の格納容器の底からもまったく取り出せていない。
東北新社の放送認可がどうだこうだどころじゃない、これは問題の桁が違う絶望的事態だ。でも、国民にはあまり知らされていないし、テレビは被災者や避難民のその後のことは伝えてはきたが、デブリの実態はたいして報じてこなかった。それはデブリを調査しに入ったロボットも壊れるほど放射線がひどく、手が付けられなくて10年前のまま事態は変わっていないからだ。世界に類のない危険がそこに居座っている。40年後でも廃炉を完了して更地にするのは困難だし、その予定を立てること自体に無理があると、番組が伝えていた。
政府は「復興五輪」とも言わなくなったが、どうするんだ、900トンのデブリの始末は。嘆かわしい未来じゃないか。
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