福本莉子は世代を超えて愛される安心感を持つシンデレラ
彼女は、イマドキ女子の役も、優等生の役も両方巧みに演じることができる。映画「思い、思われ、ふり、ふられ」では淡い青春恋愛映画のヒロイン像を好演して同世代の共感を呼び、ドラマ「パパがも一度恋をした」(フジテレビ系)では家族のことが大好きな多感な女子高生ヒロインを愛らしく演じた。
タイプの違う役柄にハマるのは、彼女が存在感の中に「新しさ」と「懐かしさ」の両方を持っているからだろう。
昔の一般家庭のように家族一緒に一台のテレビで同じ番組を見るということもなくなった今、人気タレントや音楽アーティストの知名度は、子どもたちは知ってるけど親は知らない、反対に親世代・祖父母世代はよく知ってるのに子ども世代は知らないというように分断してしまっている。
しかし、福本莉子は世代を超えて支持されて、多世代の共通言語になりそうな可能性を秘める。
彼女は、そのきらきらした存在感の中に、ナチュラルな有機野菜にも似た安心感を感じさせる。安全第一のJRのCMに起用されたのも納得だ。今後さらに活躍すれば、官公庁のポスターにも引っ張りだこになるだろう。
誰もが安心したい令和の時代だからこそ、彼女のような女優が求められている。