近藤真彦"突然の退所劇”は芸能人よりレースを選んだだけ
思えば、彼は男の夢を実現してきたと言えるのではないか。その昔、近藤に「アイドル、レーサー、監督と夢を実現させて羨ましいが」と質問したことがある。その際に彼は「そのことは本当にありがたい。運もよかったし、みんなに感謝です」と意外に謙虚だったと記憶している。
また、デビュー27年目の日本武道館コンサートで空中フライングに初挑戦した。近藤は高所恐怖症だったと思う。僕が余計にも、囲み取材で「今度のコンサートで後輩たちがやっているフライングを先輩としてやってみせてはどうか?」と質問した。その瞬間、「えーっ」としゃがみ込んで頭を抱えていたが、立ち上がった時には「やります」と決意表明。本番は無事にやってのけたが、「二度とやらない」とも宣言していた。というわけで、僕は近藤を無理やり飛ばせた男ということになる。
近藤はこれまで自分がやりたいと思ったことを続け、もちろん本人の努力もあって成功してきたわけだが、芸能活動をやめるとまでは言わないまでも、これからもそれを貫くだろう。今回の事務所退所はただそれだけなのだと思う。