人生の苦楽を穏やかに受け入れる岡野陽一のパチンコ哲学
とはいえ、岡野も借金を返さないわけではない。大学時代、学生ローンで借りた150万円はパチンコで完済した。ある日、お金を借りに行った金融業者に「これ以上、借りたら首つらなあかんで」と諭された結果、パチンコ攻略の本を真剣に読みあさり、勝てる確率を上げる方法を編み出したのだ。その結果、よりパチンコにハマっていくことになった。
パチンコを始めて22年。「諦めない気持ち、朝から並ぶ努力の大切さ、理不尽に耐えるメンタル、神様はいないという事、もう終わりだは終わりじゃないという事……」、岡野は「人生で必要な事は全てパチンコ屋さんで教わった」(とうこう・あい「QJWeb」21年5月28日)と言ってはばからない。
そして「みんなパチンコをやればいいのに」(玄文社「KAMINOGE」vol.114=21年6月5日発売)と主張する。パチンコは必ず「マイナス1000円」から始まる。そこから右肩上がりになることもあれば「ハマり」などと呼ばれる右肩下がりになる時期が必ず来る。そうしたパチンコの仕組みで世の中を見れば、「なんで私ばっかり!」などと怒る人が減るのではないかと言う。