大島優子は名脇役に成長 今や元AKB48で一番の「勝ち組」に
しょせんは「AKB48」上がりのキワモノとみられた大島優子(32)をドラマに起用したら、「あら、結構うまいじゃん」となって、その後はテレビだけではなく、映画、舞台と活動の場を広げてきたが、ここへきていよいよ評価を上げている。
最終話が放送された「ネメシス」(日本テレビ系)では、ハンドルを握ると人格が変わるスピード狂の女医をコミカルに演じ、公開中の映画「明日の食卓」では、登場はワンシーンなのに、瀬々敬久監督を「大島優子、あっぱれ!」と感嘆させる存在感を示し、すでに次の作品に出演が決まっているという。新型コロナ禍でテレビドラマが作りにくくなっているなかで、この1年間に「七人の秘書」(テレビ朝日系)など6本に出演した。
大島優子の評価をたしかなものにしたのは、NHK連続テレビ小説「スカーレット」(2019年度後期)だろう。信楽焼窯元の跡取り娘の15歳から55歳までの成長と挫折を巧みに演じ分け、ときにヒロインの戸田恵梨香(32)を食うほどだった。でも、大島の本領は「脇役」である。
「それぞれのドラマで、その役をどう演じるか、制作サイドが求めているものをつかむ勘の良さは秀抜ですね。だから、シリアス、コメディー、ラブ、ミステリーなど、どんなドラマのどんな役も器用にこなせるんです。しかも、滑舌のいい大島が脇役でいると、芝居にテンポが出て、主役をもり立ててくれる。そりゃあ、主役をやりたいという気持ちはあるでしょうが、本人も、自分は主役よりも準主役や脇役のほうが生きるとわかっていて、めざしているのは名バイプレーヤーなのではないでしょうか」(放送作家)