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細田昌志ノンフィクション作家

1971年、岡山市生まれ、鳥取市育ち。CS放送「サムライTV」キャスターから放送作家としてラジオ、テレビの制作に携わり、ノンフィクション作家に。7月に「沢村忠に真空を飛ばせた男 昭和のプロモーター・野口修評伝」(新潮社)が、第43回講談社本田靖春ノンフィクション賞を受賞。

飯野矢住代誕生秘話<2>ミス・ユニバース日本代表に選ばれたがためにバッシングにさらされ…

公開日: 更新日:

《一九六八年ミス・ユニバース日本代表選出大会が五日午後三時から大阪市大淀区のABCホールで開かれ、全国七地区の代表二十一人の中から、日本代表に関東地区の飯野矢住代(やすよ)さん(一八)(略)が選ばれた。

■「私は二号の娘です」

 飯野さんは一メートル六九、五一キロ、バスト八四、ウエスト六〇、ヒップ九〇。七月にアメリカのマイアミビーチで開かれる世界大会に参加する》(1968年5月6日付/読売新聞)

 ここから彼女の人生は変転する。表彰式の直後に行われた記者会見で「家業は?」と尋ねられると「母は芸者の置屋をしています。私は二号の娘です」と発言。これが物議を醸した。

 翌日のスポーツ紙が「二号の娘」「芸者の娘」と書き立てたのを皮切りに「ミス・ユニバース日本委員会」の役員からは暗に世界大会への出場を辞退するように求められた。この時代「日本の代表になるのは良家の子女であるべき」という価値観がはびこっていたのは事実である。いや、もしかしたら、今でもあるのかもしれない。

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