飯野矢住代誕生秘話<2>ミス・ユニバース日本代表に選ばれたがためにバッシングにさらされ…
自宅には「二号」「妾の子」といたずら電話が相次ぎ、右翼を名乗る男からは「貴様は日本の恥だ。世界大会を辞退しないと、家がどうなっても知らんぞ」と脅された。日本刀を持った男が、道玄坂のアパートに怒鳴り込んできたこともあった。
そんな周囲の妨害には耳を貸さず、飯野矢住代は世界大会への出場を決める。本来渡航費は、日本委員会が負担するはずだったのに一切出してもらえなかった。矢住代は業界関係者の間を駆け回り、渡航費をかき集めるほかなかった。
そんなとき、ある関係者がこう言った。
「そういうことならいい人がいるよ。紹介しようか」
そこで現れたのが、山口洋子だったのである。 =つづく