NHK「古見さんは、コミュ症です。」異色の学園コメディーが示す他者とのつながり方
先週、NHKよるドラ「古見さんは、コミュ症です。」が始まった。
この「コミュ症」は、コミュニケーションが苦手な症状の略称。「コミュニケーション障害」を指す「コミュ障」とは別物で、医療用語や若者言葉でもない。オダトモヒトの同名原作漫画が生み出したオリジナルだ。
高校に入学した只野仁人(増田貴久)は、とてつもない美少女・古見硝子(池田エライザ)と同じクラスになる。極端に無口で、誰も寄せ付けない雰囲気の古見さん。しかし本当は人と接するのが苦手なだけで、関わりを持ちたくないわけではないことが分かってくる。
とはいえ、そう簡単に会話は成立しない。放課後の教室で、2人が黒板を使って筆談をする場面が不思議なくらい美しい。やがて、古見さんの夢が「友達100人つくること」だと判明。只野はその手伝いを申し出る。
いわば「日本一セリフの少ないヒロイン」である古見さんが見せる、究極の困惑顔が絶品だ。また本当は小心者で、静かな高校生活を望んでいた只野も、彼女をサポートすることで成長していく。25歳で女子高生の池田もさることながら、35歳であるにもかかわらず、すんなり高校生になり切ってしまう増田がすごい。
コミュニケーション過多の時代。古見さんは、その生きづらさを象徴しているかのようだ。異色の学園コメディーが示す、他者とのつながり方とは?