鈴木慶一さんは90年代から映画音楽を…北野武監督映「座頭市」で高評価を受けた
「淡々としているように見えるでしょ。違うんです。そう見えようが、見えまいが一生懸命に取り組むのが大事なんです。CMもゲームもヒットすることは大事。でも音楽を良いものにするために真面目にガツッとやった。今でも若いバンドマンから『MOTHER、やってました。音楽も聴いてました』って言われる。うれしいよね」
平野 90年代に入ると映画音楽を手掛けるようになった。2003年公開の北野武監督「座頭市」(ビートたけし主演)では、スペインの著名国際映画祭で最優秀音楽賞を受賞した。
「そもそもの取っ掛かりは、オフィス北野の森昌行社長ですよ。映画祭の評価は嬉しかったなあ」
平野 あのちょんまげの社長さんだよね。
「その森社長がムーンライダーズにずっと興味を持っていたことで。祭りのシーンで大人数がタップダンスをやったり、田んぼを耕している農民がパタッと倒れたり、大工仕事が一定のテンポをキープしたり『リズムに合わせる音楽が重要なのでぜひお願いします』ということでした」