NHK朝ドラ「舞い上がれ!」ヒロインは誰が? 異例オーディション選考に芸能プロは疑心暗鬼
NHK制作局ドラマ番組部の周辺が騒がしくなっている。今月初めに、2022年度前期に放送予定の「ちむどんどん」がクランクイン。今月末には、放送中の「おかえりモネ」が最終回を迎え、22年度後期にオンエアされる「舞いあがれ!」のキャスティングが最終段階を迎える。
この「舞いあがれ!」の舞台は、ものづくりの町・東大阪と、自然豊かな長崎・五島列島。1990年代から現在というスパンで、パイロットと飛行機づくりを夢見るヒロイン・舞を中心にその挫折と再生を描く構成となる見通し。
芸能プロ関係者いわく、「最近の朝ドラのヒロインは、大手芸能プロダクション5、6社の持ち回りで決定していた」。
どんなに芝居が上手でも、どんなに宝石のような輝きを持った女優の卵でも、大手芸能プロに所属していなければ、朝ドラのヒロインという高いハードルは越えることができないというわけだ。
「NHKに強く食い込んだ大手の芸能プロが、主要キャスティングを完全に独占している状態で、やっとの思いでドラマに滑り込んだとしても、テロップの最後の方に名前をクレジットさせるのが精いっぱいの状態です」(同)
ところが今回の「舞いあがれ!」は、オーディションでヒロインを決定すると発表された。これは極めて異例のケースといえる。にもかかわらず、中小規模の芸能プロは、このNHKの発表に半信半疑の状態だ。
「昨年度前期にオンエアされた『エール』がまさにこのパターンでした。主演の窪田正孝については早い段階で決まっていたものの、その妻役は歌唱シーンもあることから『オーディションで選ばせてもらう』と、各芸能プロに告知されていたのです。しかし、結局選ばれたのは二階堂ふみ。これには『最初から出来レースではなかったのか。話題づくりに翻弄された』といった声が漏れていました。だったら窪田の発表と同時に二階堂を発表してくれればよかったのに……というわけです」(同)
松本穂香の名前が挙がった理由
こうした苦い経験から、「『舞いあがれ!』のオーディションにも簡単には飛びつけません」と、別の芸能関係者もその苦しい胸の内を告白する。
ある程度、朝ドラのキャスティングに、ドラマの演出スタッフと芸能プロとの関係性、そして芸能プロの局への貢献度が関わってくるのは仕方がない。芸能プロの意向を完全に無視すれば、その後の大河ドラマや朝ドラ、単発ドラマなど至るところに悪影響を及ぼす恐れがあるためだ。
さて、それでは「舞いあがれ!」のヒロインの座を射止めるのは誰になるのか。今回、演出を担当するのは、17年度前期に「ひよっこ」の演出を手がけた田中正氏。このドラマが成功したこともあり、田中氏と有村架純(28)が所属する「フラーム」は良好な関係が続いているといわれている。
また田中氏は、今年8月13日放送の妻夫木聡(40)主演の終戦ドラマ「しかたなかったと言うてはいかんのです」や、綾瀬はるか(36)が主演した東日本大震災10年特集ドラマ「あなたのそばで明日が笑う」の演出も担当した。2人が所属する「ホリプロ」との関係も良好だと伝えられている。
一部メディアが「舞いあがれ!」のヒロインについて、松本穂香(24)が有力視されていると伝えたのはフラーム所属の女優だからだろう。
「NHKは評判の高かったドラマの脇役を主演にキャスティングする傾向があります。土屋太鳳は『花子とアン』、杉咲花は『とと姉ちゃん』、清原果耶は『なつぞら』……。脇を務める若手の役者にとって、朝ドラ出演はオーディション代わりになっているわけです。主要スタッフが『彼女(彼)、いけるね』と話題にすれば、後で抜擢される可能性が高まります」(テレビ関係者)
一方で、女性誌の芸能記者たちの間では浜辺美波(21)の名前も囁かれている。
「年齢が20歳前後の女優“ご三家”といわれているのが、永野芽郁・杉咲花・浜辺美波です。永野は『半分、青い。』で、杉咲は『おちょやん』で立派に座長を務めました。“新CM女王”として好感度も抜群の浜辺の出演が近いのは間違いないでしょう」(ある記者)
「舞いあがれ!」のヒロインは近々に発表される。
(芸能ジャーナリスト・芋澤貞雄)