繁昌亭の厳格なルール「トリは大阪の落語家が落語を演じること」
染雀は桂あやめが座長の、「花詩歌タカラヅカ」というグループに入っている。
「兄弟子の花丸さんが大の宝塚ファンで、同じファンのあやめさん、笑福亭生喬さんと僕の4人で、宝塚歌劇のパロディーみたいなショーをやったのが始めです。初演は繁昌亭の公演で、『ベルサイユのばら』でした。それがおもろいと評判になり、徐々に仲間が増えていって、現在は10人でやってます。東京からは、志らく門下のらく次さんが参加。彼も熱烈な宝塚ファンで知られます。それぞれが『ジェンヌ名』といわれる宝塚風の芸名を付けるのに、住んでいる場所をもじった。僕はさざなみプラザというマンションに住んでいるので『さざ波の乃』で、あやめさんは天王寺区逢坂の住人なので『逢坂夕陽』といったあんばいです」
繁昌亭には、上方落語協会の先代会長、桂文枝が決めた厳格なルールがある。それは、「どんな会でも、トリは大阪の落語家が落語を演じること」というものだ。
「東京からどんなに偉い大師匠を招いて会を開いたとしても、トリは上方落語協会員が務めねばならない規則です。もちろん大喜利や色物芸もいけない。そやから、宝塚歌劇のパロディーショーで終わるのは、本来なら認められなかったはずなのに、例外中の例外としてなぜか許されて、毎年のようにやらせてもらってます。文枝師匠も宝塚ファンやからかなあ」