不祥事連発のテレビ朝日は亀山社長辞任で一件落着なのか…内部クーデター説も
テレビ朝日の亀山慶二社長(63)の突然の辞任を巡ってさまざまな臆測が乱れ飛んでいる。
同局によると、同社役職員によって構成される「役職員の業務監査・検証委員会」を設置し、コーポレートガバナンスの観点からスポーツ局のガバナンスを中心に監査・検証したところ、スポーツ局統括でもある亀山氏の業務執行上の不適切な行為が発覚。「出張」と偽った旅行で私的会食やゴルフ代など約60万円を経費扱いにしたり、私用での外出に社用車を使っていて、これらを認めた亀山氏から辞任の申し出が取締役会にあり、受理したという。
この背景にあるとされるのが亀山氏が統括するスポーツ局の存在だ。亀山氏の現場介入、パワハラ、露骨なスポーツ局長外しなど、抜き差しならぬ関係にあったという情報が漏れ伝わっているように、あるテレ朝関係者は「我慢の限界を超えたスポーツ局が計画したクーデターという見方が強い」とこう続ける。
「60万円という金額が社長の不正経費の額にしては少額過ぎるという声もありますが、飲食代を会社にツケ回すなんて、大きな声では言えませんが、平社員からして真っ白とは言えないでしょう。もともとはスポーツ局の東京五輪担当者らが緊急事態宣言下に渋谷のカラオケで飲んで騒いでの打ち上げを行い、けが人まで出す昨年の不祥事が発端。現場の営業担当時代は電通と組んで数々のスポーツイベントを成功させてきた亀山社長ですが、社長になってもスポーツ局を“直轄領”のように扱い、再発防止とかガバナンス強化とかを声高に言ってましたけど、高圧的な亀山社長に対してどのツラ下げて言うのかという内部の不満が鬱積。もみ消せないほど動かぬ証拠を突き付けられた。身内に刺されたというわけです」
もっと大きな爆弾の可能性
亀山氏はテレ朝内で「天皇」の異名もある早河洋会長(78)の腹心中の腹心。泣いて馬謖を斬ったという声もあったが、最近のテレ朝は不祥事のデパート状態だった。非売品のはずのグッズを転売したり、社内不倫があったり、経産省「IT導入補助金」不正受給の詐欺容疑で逮捕者を出したり。とてもキー局とは思えないレベルの低さである。
「サイバーエージェントと組んで放送しているAbemaTVは大赤字ですが現状はサイバー社が赤字を補填しています。その代わり、お金も出すから口も出すというわけでサイバー社の現場介入に辟易しているテレ朝の人間は多い。そうした空気を感じたのか早河会長の直筆で“一枚岩”と書かれたポスターが局内にベタベタ張られていますよ。局員の目は“本当に一枚岩なら張らないわな”と冷ややかです」(別のテレ朝関係者)
経営サイドと現場の関係はバラバラどころか険悪なことが浮き彫りとなった今回の社長辞任劇。テレ朝は早河会長が社長を兼任。記者会見を行う予定はないとしているが、「触れてほしくない爆弾がまだあるのではないかといわれています」(前出のテレ朝関係者)。
テレ朝はこの機会に膿を出し切れるのか、亀山社長の辞任で一件落着か──。まあ後者であろう。