銀座ではカーチェイス撮影が実現しない…「ロケ地」をめぐる韓国との決定的な差
今月1日に亡くなった作家の石原慎太郎氏(享年89)は都知事の任期中だった2000年、東京国際映画祭で「銀座でカーチェイスを!」と発言。翌年にはフィルムコミッションも開設した。だが、日本では安全性などの問題から、撮影の際に警察の許可を得ることが難しいとされる。外国の映画人からも、手続きの複雑さや窓口が一元化されていないことの不便さが指摘されてきた。カーチェイスどころか、日本を描いた映画「沈黙-サイレンス-」(16年)でさえ、台湾で撮影されたと知ったときは、ガク然としたものだ。
今月25日から日本で公開される韓国映画「ハード・ヒット 発信制限」は釜山を舞台に、カーアクションを繰り広げている。爆弾を仕掛けられた車が真っ昼間からビーチリゾートの海雲台(ヘウンデ)を猛スピードで走り抜けていくのだ。道幅の狭い商店街や観光客が行き交う人気スポットの亀南路(クナムロ)でも撮影された。同エリアはオフシーズンでも大勢の人が集まる地域である。スタッフは最初に3カ月をかけて、すべての店や建物の所有者、住民たちから撮影の許可を得たという。
最後は釜山映画委員会や役所、警察からも許可を得て、迫力あるシーンの撮影に成功した。