カラテカ入江慎也さん「ヤミ営業」問題で芸能界引退…経営する清掃会社は全国5店舗に

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カラテカ入江慎也さん(45歳)

「ヤミ営業騒動」で2019年に吉本興業を解雇され、早々に芸能界を離れたカラテカ・入江。その後、雨上がり決死隊・宮迫の退社へと波紋が広がった。騒動の渦中は一歩も外を出歩けない状態だったというが、その後清掃会社でアルバイトを始め、翌年には清掃会社「ピカピカ」を起業。今では都内を起点に、全国5店舗を展開。騒動から3年、今どうしているのか。

 ◇  ◇  ◇

「解雇されてから2カ月はずっとひきこもり状態でした。それで家の掃除を始めて、芸人時代の小道具とか衣装とか断捨離を始めました。コンビで舞台に立っていた時のフリップネタの画用紙を処分するときは『これですごくウケたんだよな……』とか思い出してツラかったですね。身の回りを整理することで気持ちがスッキリする、それで清掃の仕事をやってみようと思ったんです」

 再始動はネット検索、時給1100円、42歳のリスタートだった。

「ご迷惑をおかけしたので、誰かに頼るのは避けようと『目黒区』『清掃』で検索して、ヒットしたのがおそうじ本舗でした。面接に行くと『あの入江さんなんですね! ビックリしました』って言われました。時給1100円から始まり、3カ月で1300円、4カ月目に日当1万円になりました。1万円を稼ぐことの大変さを改めて実感したと同時に、こんな僕でも掃除して奇麗になると感謝されることにやりがいを感じました」

 20年7月に「ピカピカ」を起業。清掃にビジネスチャンスを感じたという。

「掃除ってどんな時代もなくならない仕事だと。特に業務用のエアコンはプロでないと掃除できないので専門性もあります。飲食店も考えましたが、やったことがなかったし、清掃業は初期費用が安い。軽バンと掃除道具さえあればできるのもポイントでした。起業は気合ですね、動かないと変わらないですから」

 今はどんな仕事を?

「業務用エアコンの掃除から、家庭のエアコンやお風呂などなんでも。今田耕司さんや極楽とんぼの山本さんら芸人の方々も仕事を依頼してくださって応援していただいてます」

 東京、大阪、名古屋など全国5店舗と経営は順調そうだ。

「支店は独立した後輩たちのフランチャイズ店です。今は入社した人が働ける場をつくる事業拡大の段階に入りつつあります」

「風評や噂は自分の行いで更新していくしかないと思っています」

 芸能界を離れることは怖くなかったのか。ユーチューバーという選択肢もあるが。

「めちゃくちゃ怖いです。今でも舞台を見るとココに立ってたんだな、と思います。ただネットの世界で成功する自信がなかったですし、相方(矢部太郎)に『地に足つけてやった方がいい』と言われたのも大きかったです」

 ユーチューブと焼き肉店で活路を見いだした宮迫にはどんな言葉を?

「ユーチューブに上がっているあっちゃん(中田敦彦)のコンサルが凄すぎて、僕がアドバイスすることなんてないです。僕にできることは店内清掃ぐらい。いつでもお手伝いさせていただきます」

 不倫騒動で自粛中の有村昆が在籍したこともあったという。

「僕にできることがあったら、とメールしたら有村さんから“働かせて欲しい”と連絡があり、2カ月ほど働いていました。アリコンさんにはネットは見ない方がいいですよと伝えました。あと、渦中にいると冷静な判断もできないので、行動する前に信頼できる人に相談した方がいいですよとはアドバイスしました。僕はフライデーさんから1回も直接問い合わせは受けてないんです。でも事実と異なると反論したところでネタになるだけ。風評や噂は自分の行いで更新していくしかないと思っています」

 芸能界を離れて変わったことは?

「早起きになったことと、助け合いの精神ですかね。僕にとって芸能界は限られた場でいかに活躍できるかという競争の世界でした。清掃業界は情報・仕事・人材など持ちつ持たれつの関係で、同業他社は仲間という認識です」

 その昔“合コン王”として著書も執筆していたが、結婚願望は?

「ご家庭の掃除に行くと、めちゃくちゃ羨ましいです。今は合コンはできないですけど、女性食事はたまに。でも、年を重ねると厳しいですね、お相手に恋愛対象として見てもらえることも減りました」

 芸能界に未練はないのか?

「タレントは全くないです。今はこれまでの経験を語りつつ、セカンドキャリアについてオンラインでセミナーをしたりはしているので、講演活動は続けていこうと思っています」

 今後のビジョンは?

「会社がセカンドキャリアの受け皿として拡大できたら。ピカピカの強みは、スタッフが若いことと、掃除を通して笑顔を届けること。『トーク0円。スベることもあるかもしれません』と言ってますが、ひとりでも多くのお客さまを笑顔にできたらと思います、ハハハ」

(取材・文=岩渕景子/日刊ゲンダイ)

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