著者のコラム一覧
芋澤貞雄芸能ジャーナリスト

1956年、北海道生まれ。カリフォルニア州ロサンゼルスでテレビ・映画のコーディネーター業を経て、女性週刊誌を中心に30年以上にわたり芸能・スポーツを中心に取材活動を続ける。代表的なスクープは「直撃! 松田聖子、ニューヨークの恋人」「眞子妃、エジンバラで初めてのクリスマス」。現在は、星野源、ディーン・フジオカから羽生結弦、浅田真央まで幅広く取材活動を続ける。日刊ゲンダイDIGITALや現代ビジネスなどで執筆中。ツイッター現代デジタル芸能界一の嫌われ記者 芋澤がぶっちゃける極秘情報

くすぶっていた森七菜に“完全復活”の兆し 是枝裕和監督初のNetflixシリーズで堂々の主演

公開日: 更新日:

 昨年1月の所属事務所の移籍で失速気味だった森七菜(20)に完全復活の兆しだ。是枝裕和監督の初のNetflixシリーズ「舞妓さんちのまかないさん」で、“まかないさん”の野月キヨ役で主演を務め、間もなくドラマが配信される。小山愛子の原作コミックは累計発行部数は200万部を超えるベストセラー。まずNHKワールドJAPANでアニメ化され、2021年10月からEテレでも放送されている。花街を舞台に、舞妓たちの毎日の食事を作るまかないさんと、舞妓たちのほっこりした日常が描かれる。アニメは女児とその親たちに広く支持されている。

 森にとっては、ファン層の裾野が広い作品で主演を務めること自体が追い風だが、さらに大きいのが、今回の配信ドラマでメガホンを取るのが今年のカンヌ国際映画祭で世界中から称賛を集めた是枝裕和監督ということだ。エキュメニカル審査員賞に選ばれた「ベイビー・ブローカー」は、欧米の記者たちには“赤ちゃんポスト”やその赤ちゃんに“ブローカー”が存在することが特別奇異に映ったようで、世界中の報道番組でも取り上げられた。映画関係者やファンならずとも「万引き家族」「ベイビー・──」に続く次の是枝監督の作品テーマに注目が集まっている。ドラマ「舞妓さん──」はそんなタイミングで配信を迎えるわけだ。

「関係者が注目しているのは『舞妓さん──』のキャスティングです。カンヌの公式会見で外国人記者から『映画の中で最もキャスティングに苦労したのは?』と聞かれた監督は『赤ちゃんです』と答えました。周囲の音に敏感に反応する赤ちゃんをしっかり見極めて合格させたそうです。このやりとりに象徴されるように、監督のキャスティングは業界内ではハードルがかなり高いといわれ、高い演技力はもちろん、役柄への順応性や息遣いが求められるといいます。森はもちろん、まかないさんの親友である舞妓役を演じる出口夏希(20)、蒔田彩珠(19)、橋本愛(26)、松岡茉優(27)らは是枝監督から“お墨付き”をもらった女優ですから、これが世界デビューのきっかけになる可能性は十分にあります」(芸能プロ関係者)

将来を嘱望されながら移籍騒動でつまずく

 業界内では“オーディションキラー”と呼ばれ将来を嘱望されていた森だが、移籍騒動でつまずき、「ソニー・ミュージックアーティスツ」と業務提携する形で一応の決着はみた。ただ、そのイメージを引きずったまま準主演を務めた今年1月期の「逃亡医F」(日本テレビ系)の世帯平均視聴率は7%強と存在感を示しきれなかった。役どころもキャスティングも最軽量で、森の良さが全くといっていいほど生かされなかったことが敗因だろう。「演技力は高いのにもったいない……」と、くすぶる森を気の毒に思う人がいる中で飛び込んできたのが、今回の是枝監督のカンヌでの大活躍のニュースだったわけだ。

「森には何か強い運のようなものを感じますね。この『舞妓さん──』だけにかかわらず、今、世界の映像関係者の間ではNetflixが製作する日本を舞台とした作品に熱い視線が集まっているんです。そのきっかけとなったのは渡辺謙(62)、菊地凛子(41)が出演する『TOKYO VICE』。この作品にハリウッドの映像製作者たちの間からは『YAKUZAをもっと深く作品にしたい』という声がたくさん上がっています」(前出の芸能プロ関係者)

 世界的なうねりの中で、人気作品で話題の演出家にキャスティングされた森の汚名返上の舞台装置は完全に整ったと断言していいだろう。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  2. 2

    人事局付に異動して2週間…中居正広問題の“キーマン”フジテレビ元編成幹部A氏は今どこで何を?

  3. 3

    中居正広氏&フジテレビ問題で残された疑問…文春記事に登場する「別の男性タレント」は誰なのか?

  4. 4

    おすぎの次はマツコ? 視聴者からは以前から指摘も…「膝に座らされて」フジ元アナ長谷川豊氏の恨み節

  5. 5

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  1. 6

    萩原健一(6)美人で細身、しかもボイン…いしだあゆみにはショーケンが好む必須条件が揃っていた

  2. 7

    フジテレビに「女優を預けられない」大手プロが出演拒否…中居正広の女性トラブルで“蜜月関係”終わりの動き

  3. 8

    TV復帰がなくなった松本人志 “出演休止中”番組の運命は…終了しそうなのは3つか?

  4. 9

    "日枝案件"木村拓哉主演「教場 劇場版」どうなる? 演者もロケ地も難航中でも"鶴の一声"でGo!

  5. 10

    “年収2億円以下”マツコ・デラックスが大女優の事務所に電撃移籍? 事務所社長の“使い込み疑惑”にショック

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    べた褒めしたベッツが知らない、佐々木朗希"裏の顔”…自己中ぶりにロッテの先輩右腕がブチ切れの過去!

  2. 2

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  3. 3

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  4. 4

    巨人・田中将大“魔改造”は道険しく…他球団スコアラー「明らかに出力不足」「ローテ入りのイメージなし」

  5. 5

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  1. 6

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  2. 7

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…

  3. 8

    佐々木朗希を徹底解剖する!掛け値なしの評価は? あまり知られていない私生活は?

  4. 9

    大阪・関西万博の前売り券が売れないのも当然か?「個人情報規約」の放置が異常すぎる

  5. 10

    僕に激昂した闘将・星野監督はトレーナー室のドアを蹴破らんばかりの勢いで入ってきて…