樹木希林さんの思い出…おしゃれな服を頂戴したと思ったら「名前もあげる」って
「ナオコちゃん、これ、あげる」って、よく服を頂戴しました。男物の感じの黒っぽいオシャレな服。それを希林さんが手を加えてリサイクルするの。「お金かけたくないし、もったいないでしょ」って。それがカッコイイんです。「ナオコちゃんなら着こなせるからあげる」と言ったかと思ったら、「名前もあげる」って(笑)。さすがに断りましたよ。「ダメですよ! 悠木千帆さんは一人だけです!」と。
希林さんは樹木希林という名前を考えていて、悠木千帆から変えたくて悩んでいたみたいなんです。そこで名前を譲る相手として、真っ先に思いついたのがアタシだったの。アタシは「研ナオコで通します」って。だって、悠木千帆さんの名前を頂いても、とても追いつけない。あれだけの名女優だもの。
最初にご一緒したとき、なんて自然な芝居をなさるんだろうって。変につくり込まないでス~ッと流れるような芝居。だから、堺さんとのハチャメチャのシーンも自然で、アドリブっぽく見えますよね。でも、実は違うんです。
当時、TBSに稽古場があって、久世さんが本読みをしながら、「脱衣所で格闘するシーン、宿題な!」って、アタシだけじゃなく、希林さんと堺さんにも宿題を出したんです。アタシは宿題がイヤで芸能界に入ったのに(笑)。堺先生、お願いします、助けてくださいって。