寺島しのぶ“歌舞伎界の伝統”に屈しない「役者の血筋」 長男・寺嶋眞秀が来年のNHK大河に出演
「あなた、女優やりたいんじゃない?」
父との舞台共演の際、自宅を訪れた故・大地喜和子さんからそう向けられて、うなずいた。それで文学座の狭き門に挑み、超難関を突破したのには、表現する場を求めてあふれ出る芸能一家の血があってのものだろう。
■「私にしかできないと思ったものは絶対にやる」
「当初は親の七光との見方も出ていましたけど、寺島さんは体当たりの演技で名を上げていきました」
そう寺島を知る映画プロデューサーは言い、こう続けた。
「東京国際で優秀主演女優賞に輝き、名を上げた『ヴァイブレータ』から、傷痍軍人の妻を演じた『キャタピラー』など、彼女の代表作には女優魂とか潔い脱ぎっぷりが話題になったものです。ただ、ご本人は『どんなに困難があっても、これは私にしかできないと思ったものは絶対にやる』と言い、脱ぐ脱がないは二の次なんですね。お母さま(富司純子)から『映画は特別なもの』といつも言われていたというし、たしかに、何より全力で表現したかったのでしょう」