故・西郷輝彦さん「偲ぶ会」 御三家の盟友2人らが発起人、人柄偲ばせるエピソード相次ぐ
西郷さんの人柄を偲ばせるエピソードが次々と
偲ぶ会は昨年6月、出身地の鹿児島市内でも開かれ、県内外から多くのファンが参列した。今回はプロデューサーの石井ふく子氏らのほか、御三家の盟友、橋幸夫、舟木一夫らが発起人となって営まれたものだ。集まった芸能人からは、西郷さんの人柄を偲ばせるエピソードが相次いだ。
山本リンダはデビュー前から目をかけてもらったそうで、「リンダ、芸能界は大変だろうけど、長く頑張っていくんだよ」などと何度も励まされたという。女優の高島礼子もデビュー当時、緊張でカチンコチンになっていたところ、「肩の力抜きなよ。大丈夫」「自然にやればいいんだよ自然に」などと言ってもらったと話した。
大村崑には、若手時代、演技指導を仰いでいた。
「(西郷さんが)歌から芝居に入ってきた際で、礼儀正しくてね。何も教えないのが当時当たり前だったけど、よく懐いて、トイレとか、どこまでもついてくるんですよ。苦手にしていたのが、くしゃみ。台本に『ハクション』と書いてあっても、そのままじゃしょうがないし、難しいんですよ」
ノートPCを抱えて、楽屋などに押し掛けていたというから、努力家、勉強家だったのだろう。後年、「青春歌謡BIG3」などで共演した歌手の三田明は「昔話が楽しくて、輝さん、翌日仕事ないとなると朝まで飲んじゃうんですよ」と振り返った。
そして舟木一夫。
「1年たっても、吹っ切れてない。同じ時代を走った、けんか友達をなくしたようで。どれだけ大切で、いい関係であったか」
かつてのライバルも五十代半ばごろから付き合いがはじまり、男ふたり、差し向かいで飲んだこともあったという。
「送りたい言葉なんて、ない。そこらへんで遊び惚けているだろうから、帰っておいでよ」
享年75。スターの輝きは永遠だ。