著者のコラム一覧
松尾潔音楽プロデューサー

1968年、福岡県出身。早稲田大学卒。音楽プロデューサー、作詞家、作曲家。MISIA、宇多田ヒカルのデビューにブレーンとして参加。プロデューサー、ソングライターとして、平井堅、CHEMISTRY、SMAP、JUJUらを手がける。EXILE「Ti Amo」(作詞・作曲)で第50回日本レコード大賞「大賞」を受賞。2022年12月、「帰郷」(天童よしみ)で第55回日本作詩大賞受賞。

寡黙を日本の伝統として褒めそやすのは、もう止めにしませんか。

公開日: 更新日:

 最初に告白しよう。この件で本連載の貴重なスペースを費やすことを、ぼくは不本意だと感じている。正直なところ、この件についてはもう何も言いたくない、書きたくない気持ちが強い。実際そんな選択肢もあるはずなのだ。

 では、なぜ口を開き続けるのか。SNSやヤフコメで心ない罵倒を浴びると分かっていても、言葉を尽くしてしまうのはなぜか。英雄的に振る舞いたいのではない。ましてやマゾヒスティックな快感に酔いたいわけでもない。自分は穏やかな生活を好むタイプだし、正義感なんて爪の垢ほどしか持ち合わせていない。とめどない愚痴や陰口で家族や友人を失望させてきた卑小な人間だ。そんなぼくが口を開くにはいくつかの理由がある。だが最大の理由はと訊かれたら、迷わずこう答える。

「見て見ぬふりは気分が悪いから」

 そう、いつも人を動かしてきたのは正義より生理ではなかったか。

 前置きが長くなった。「この件」については詳しく述べるまでもないだろう。さきの日曜(5月14日)の夜9時、ジャニーズ事務所公式サイトで、藤島ジュリー景子社長が謝罪し、見解が発表された。故ジャニー喜多川氏への度重なる性加害告発に対し、動画と文書で応えたかたちである。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    俳優・山口馬木也さん「藤田まことさんは『飲め、飲め』と息子のようにかわいがってくれた」

  2. 2

    前代未聞の壮絶不倫・当事者のひとりがまたも“謎の欠場”…関係者が語った「心配な変化」とは???

  3. 3

    テレ朝ナスD“経費横領&パワハラ処分”に「見せしめ」の声も…家族団らん投稿の美人料理家妻に同情集まる

  4. 4

    自信なくされたら困るから? 巨人・田中将大がカブス戦登板「緊急回避」の裏側

  5. 5

    東原亜希の“黒帯バスローブ密会”乗り越えた「許す力」は佐々木希以上? 経済的自立も目指す強心臓とたくましさ

  1. 6

    料理研究家の森崎友紀 “本業”専念も恋愛は「年も年なので」

  2. 7

    兵庫県パワハラ知事に残った選択肢は「議会解散」のみ…多数派工作で延命図るか?味方は“情報漏洩3人組”のみ

  3. 8

    あす旧統一教会に解散命令か? N国党に急接近の不気味、タダでは転ばない悪あがき

  4. 9

    巨人の“アキレス腱”は絶対的セットアッパーが使えないこと…新助っ人キャベッジで外国人枠「満員」

  5. 10

    佐々木希が「芸能人格付けチェック」で"地雷キャラ"といじられ…夫・渡部建を捨てないもう1つの理由