ディズニー創立100年記念・実写映画「リトル・マーメイド」でアフリカ系女優を起用した重い意味
1991年に日本でも公開されてヒットしたディズニーアニメーションの実写版リメーク映画「リトル・マーメイド」が9日、公開となった。北米などでは公開されるや前週トップの「ワイルド・スピード/ファイヤーブースト」に代わり全米1位を獲得した話題作。
オリジナルでは白人だった主人公アリエルを、アフリカ系女優が演じることで物議を呼び、ネット上では本人へのバッシングも見られたことから興行面で不安の声もあったが、吹き飛ばした形だ。映画批評家の前田有一氏が解説する。
「ディズニーは以前、2015年公開の全作品にLGBTキャラが一人もいないと関連団体から厳しく批判されて以来、積極的に多様性を重視する作品作りをしています。今回のハリー・ベイリー起用もその流れですが、89年版の『リトル・マーメイド』は同社にとって『美女と野獣』『アラジン』へと続くディズニー・ルネサンスの黄金期を切り開いた記念碑的な一本。しかもこの実写版は創立100年記念作品でもあり、絶対に失敗できない最重要作です。そこに彼女を起用した意味は、非常に重いとみるべきでしょう」