(5)中尾ミエさんの生き方 “めんどうくさい”を捨てて、“まずやってみよう”で動くこと
中尾ミエさん(77歳)
「人生を愉快に過ごそうと思ったら、ヤジ馬根性というか、なにに対しても好奇心を持つこと。“なんかおもしろそうだな”っていう気持ちを素直に受け入れて、どんなことでも一度はチャレンジしてみる。これって、とても大切なことだと思いますね。やりとげるかどうかは別としても……」
中尾さん自身、30歳のときにジャズダンス、以後クラシックバレエ、タップダンスとほぼ10年スパンでさまざまな課題をこなしてきた。こうした鍛錬が第一線の歌手、女優としてのキャリアを支えているのだろう。しかし、それとは別に中尾さんはさまざまなジャンルへのトライを欠かさない。
「50歳をすぎて、水泳、水彩画、習字、俳句にトライしました。いまもつづけていますが、とくに俳句はいいですね。とにかく自分で見たものを素直に詠むことを心がけています。俳句をはじめるようになってから、いままで漠然と眺めていた街の風景、季節の花々、自然の変化なんかに敏感になった気がします。いかにいままでなにも見ていなかったかを痛感しましたね。俳句をきっかけに、これまで使っていなかった脳が動き出しはじめた感覚があるんです」