双子の漫才師「吉田たち」の背中を押した“ブチギレ”エピソード
卒業後、当時の若手の劇場の正式メンバーにはなっていない3年目以内の有望株で月に1度、吉本とは別の会場でイベントを開催していました。いわば「“期待の星”寄席」です。20組程度が出場し、上位10組は「特別ネタ見せ」を教室でやり、講師陣がダメ出しをしていました。
■「おまえら、もっとでかい声でじゃべれや!」
上位に入った吉田たちがネタ見せに来た時のこと。ダメ出しの受け答えがボソボソ話して“やる気”を感じなかったので、「おまえら、もっとでかい声でしゃべれや! ネタもボソボソしゃべりやがって、やる気ないんなら辞めてまえ、どアホ!」とブチギレたのです。実際にはもっと口汚くののしったと思いますが、期待の裏返しとでもいうのでしょうか、「もっとできるはずや!」と思っていたのでありえない怒声を飛ばしていました。
「あの時、怒鳴られたのが間違いなくターニングポイントでした」と後に言ってくれましたが、この日を境に本番でのボソボソしゃべりがなくなり、普段もハキハキ話すようになり、活気のある舞台を見せてくれるようになりました。私も「ひとつ背中を押せたかな?」とうれしくなりました。