亡きryuchellさんの繊細と誠実…番組Pが悼む「経験値の高さからにじみ出るやさしさ」

公開日: 更新日:

「メッセージはしっかり若者に届いていた」

 同志社女子大学教授(メディア論)の影山貴彦氏は「若者の支持の高さを改めて痛感した」と、こう続ける。

「学生たちに尋ねたところ、ファッションや明るいキャラクターが好きという意見はもちろん、『性的マイノリティーであることに嘘をつかず、自分の生きたい性別で戦っている姿を見ると芯のある人だったと思う』『他のコメンテーターたちの意見に屈することなく意見していたのが印象的だった』など、自分自身の“生き方に誠実”でSNSで批判にさらされても“自身のスタイルを貫く姿勢”に共感する熱い声が多かった。

 身をもって提示してくれたことで社会の多様性への理解のスピードも速まったし、改めてryuchellさんのメッセージはしっかり若者に届いていたと思いました。これこそ他の人にはできないryuchellさんの功績でしょう。またSNSでのバッシングは皆経験があり、誰もがryuchellさんに自分を重ね合わせて心を痛めていることも事実。LGBTQもSNSの問題も一過性にとどまらず、継続的に扱うことも今後のメディアの役割だと思います」

 SNSに書き込まれた心ない言葉に「相手はなんでそんなこと言わなきゃいけないのかな、って考えて……『ボクは可愛いし、生きます。そしてあなたも、生きて』ってコメントしたんです」と語っていたryuchellさん。芸能生活はたった10年とは思えないほど、自分のスタイルを貫き独自の存在感を示していただけに残念である。

 ◇  ◇  ◇

■厚生労働省のホームページで紹介している主な悩み相談窓口

▽いのちの電話
℡0570・783・556(午前10時~午後10時)、℡0120・783・556(午後4~9時、毎月10日は午前8時~翌日午前8時)

▽こころの健康相談統一ダイヤル
℡0570・064・556(対応の曜日・時間は都道府県により異なる)

▽よりそいホットライン
℡0120・279・338(24時間対応)、岩手、宮城、福島各県からは℡0120・279・226(24時間対応)

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動