平本淳也氏は再発防止チームの聞き取り評価も…ジャニーズに問われる事実認定と性被害者への誠意
交渉のテーブルで焦点となるのは…
ジャニー喜多川氏の少年への性加害は半世紀にわたって行われ、国連人権理事会の調査メンバーは数百人に及ぶと先の会見で報告した。大規模、長期間におよぶ性的搾取がなされた背景として、ジャニーズ事務所がそれを知りながら放置、メディアを黙らせ、隠蔽してきたことが明らかになってきている。ヒアリングに同席した杉山和也弁護士は、ジャニーズの対応の注目点として、こう発言した。
「(性加害の)事実認定。これは個別なものも含めてで、もうひとつは(性加害について)事務所で共有していたのかどうか。これについてコメントらしいコメントはなかった」
それは当事者の会としての、ジャニーズ事務所との向き合い方でもあるのだろう。
実際のところ、ジャニーズが「調整中」とする記者会見で、たとえジュリー社長が事実関係を認めて謝罪、再発防止のガイドライン作成を約束したとして、それで終わりになるような問題ではないのではないか。これまで通り、辞任することもなく、責任もウヤムヤで終わらせてしまっていいわけがない。
■事件を風化させてはいけない
しかしながら、ジャニーズの内情に詳しい芸能関係者は、自らの被害を公に告発する元ジャニーズJr.や、当事者の会メンバーたちに対して、こんな見方をしている。
「ジュリーさんたちからみれば、彼ら(当事者の会メンバーら)が求める補償とは、カネでしょう、と。交渉のテーブルでは、その額が焦点になるとみているのでは」
その通りなら、当事者の会メンバーらは、相当なめられているとみて間違いない。
この日の会見場では、テレビカメラ8台が並んだが、女性スタッフがスマホを眺め、上の空だったりもした。取材の人数も熱気も、一部の質問者以外は、そう高くはなかった。彼らの味方でもなければ、公平でもなく、ジャニーズ寄りを続けるメディアもある。
「それだけに、実名で被害告白し、性加害問題を訴える当事者の会には、一層の熱意をもって、問題を追及して欲しい」
会見後はそんな声もあがっていた。