映画「バービー」が興収2000億円突破! それでも日本でイマイチ当たらなかったワケ
映画「バービー」が世界で大ヒットしている。興行収入は13.8億ドル(約2025億円)を超え、ワーナー・ブラザース配給作品として「ハリポタ」を抜く史上最高額。今年公開された全映画の中で最大のヒットだ。推計10億体以上販売されたバービー人形(マテル社)を題材にしているとはいえ、なぜ「バービー」はこれほどまでにヒットしているのか。
主役のバービーを演じたのはハーレイ・クイン役で名を馳せたマーゴット・ロビー(33)。プロデューサーとして映画化権をマテル社から取得後、グレタ・ガーウィグ(40)に監督と脚本を委ねた。「レディ・バード」(2017年)でアカデミー監督賞・脚本賞にノミネートされた新進気鋭の監督だ。その彼女の繊細でポップな感覚に基づく脚本(ノア・バームバックと共同執筆)と演出がずばり当たった。男友達ケン役に「ラ・ラ・ランド」のライアン・ゴズリングを起用したのも奏功している。
舞台となるのはピンク色のプラスチックで出来たバービーランド。大統領から宇宙飛行士まで活躍するのは全部女性、男性は取るに足らないオマケの存在だ。主人公がある日「死」を想起すると、異変が生じる。原因を探るべくバービーはケンと一緒に人間世界(リアルワールド)に向かうと、そこは驚くべき男性中心社会だった。