リッキーこと岡博之さんは芸人からサンミュージック社長に 「この30年紅白出場歌手がいない。音楽を頑張ろう」

公開日: 更新日:

芸能界のシステムは変わる時期

 ──やりたいことは何でしょう。

 ひとつはありきたりですが、タレントを育成したい。歌手など音楽で。プロダクションの名前に「ミュージック」が入っているのに、この30年ほど「紅白歌合戦」出場歌手がいないんですよ。

 かつては都はるみさん、牧村三枝子さん、松田聖子さん、早見優さんと、紅組の中に4人出場した年もあったのに。芸人が売れているのはいいことですが、もう一度、音楽も頑張ろうと。

 歌手は育てないといけませんから、地方にも養成所をつくりたい。

 例えば沖縄でサンミュージック沖縄として芸能スクールも始めています。沖縄はダンスも歌唱力もルックスも全国屈指の素材の宝庫。他の地方にも養成所をつくりたい。

 それと芸能界のシステムも変わる時期ですよね。契約や独立でもめる問題がありますが、もっと自由に移籍できたらいいなと。

 ただ、タレントの育成にはお金がかかる。芸人はそうでもないが、歌手など音楽はとくに。何年もかけて育ててデビューした途端に「移籍します」と言われたら、たまりませんからね。タレントを縛り付ける契約ではなくて、互いにいい契約を結べるようにしなければいけません。

 もちろんハリウッドのように組合があって現場のトラブルは組合が解決したり、仕事をとるプロモートはエージェントがやるようなシステムにやがては変わっていく気もします。

 でも、僕はシステムづくりも大切だけど、人と人の関係も大切だと思うんです。「私はこのプロダクションに育ててもらいました」「僕はこのマネジャーにお世話になりました」と思ってもらえる人間同士の付き合いがあれば、もめたりケンカ別れすることは減るのかなと。

 法整備したり、ルールを決めて「こういう決まりだからこうします」とすればいいというわけじゃなくてね。エージェントはマージンを稼ぐために代理人になるので育てることはしませんが、僕は育てるということが芸能界には必要だと思っています。僕が社長になったことで、新しい風が吹くといいですね。

(聞き手=松野大介)

▽岡博之(おか・ひろゆき)1958年9月、京都府出身。79年から森田健作の付き人に。81年にお笑いコンビ「ブッチャーブラザーズ」結成。97年からサンミュージックのお笑い養成所のプロデューサーに。2023年に同社社長就任。

■新刊「サンミュージックなお笑いの夜明けだったよ!」(晶文社)発売中!
「プロダクション55周年の記念ですが、サンミュージック史は過去に出ていたので、僕の半生をつづった本になりました。森田健作の付き人時代から芸人になり、サンミュージックにお笑いを立ち上げ、歌手のプロダクションがいかに変貌を遂げたか? 芸人の僕がいかにして社長になったかが書いてあります。業界に興味ある方、ぜひに読んでください!」

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    ビートたけし「俺なんか悪いことばっかりしたけど…」 松本人志&中居正広に語っていた自身の“引き際”

  2. 2

    《もう一度警察に行くしかないのか》若林志穂さん怒り収まらず長渕剛に宣戦布告も識者は“時間の壁”を指摘

  3. 3

    フジテレビに「女優を預けられない」大手プロが出演拒否…中居正広の女性トラブルで“蜜月関係”終わりの動き

  4. 4

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  5. 5

    元フジテレビ長谷川豊アナが“おすぎ上納”告白で実名…佐々木恭子アナは災難か自業自得か

  1. 6

    中居正広氏&フジテレビ問題で残された疑問…文春記事に登場する「別の男性タレント」は誰なのか?

  2. 7

    人事局付に異動して2週間…中居正広問題の“キーマン”フジテレビ元編成幹部A氏は今どこで何を?

  3. 8

    萩原健一(6)美人で細身、しかもボイン…いしだあゆみにはショーケンが好む必須条件が揃っていた

  4. 9

    TV復帰がなくなった松本人志 “出演休止中”番組の運命は…終了しそうなのは3つか?

  5. 10

    別居から4年…宮沢りえが離婚発表「新たな気持ちで前進」

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ吉井監督が佐々木朗希、ローテ再編構想を語る「今となっては彼に思うところはないけども…」

  2. 2

    20代女子の「ホテル暮らし」1年間の支出報告…賃貸の家賃と比較してどうなった?

  3. 3

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  4. 4

    「フジ日枝案件」と物議、小池都知事肝いりの巨大噴水が“汚水”散布危機…大腸菌数が基準の最大27倍!

  5. 5

    “ホテル暮らし歴半年”20代女子はどう断捨離した? 家財道具はスーツケース2個分

  1. 6

    「ホテルで1人暮らし」意外なルールとトラブル 部屋に彼氏が遊びに来てもOKなの?

  2. 7

    TKO木下隆行が性加害を正式謝罪も…“ペットボトルキャラで復活”を後押ししてきたテレビ局の異常

  3. 8

    「高額療養費」負担引き上げ、患者の“治療諦め”で医療費2270億円削減…厚労省のトンデモ試算にSNS大炎上

  4. 9

    フジテレビに「女優を預けられない」大手プロが出演拒否…中居正広の女性トラブルで“蜜月関係”終わりの動き

  5. 10

    松たか子と"18歳差共演"SixTONES松村北斗の評価爆騰がり 映画『ファーストキス 1ST KISS』興収14億円予想のヒット