日テレ 春ドラ「たーたん」制作中止で小学館との“蜜月関係”崩壊へ…尾を引く「セクシー田中さん」問題の深刻度
「延期ではありません。完全なる制作中止です」と証言するのは日本テレビ関係者だ。日本テレビは突如、4月クールに「土曜ドラマ」枠(夜10時~)で放送する予定だったドラマ「たーたん」の制作中止を発表した。
同ドラマは小学館が発行する「ビッグコミックオリジナル」でマンガ家の西炯子氏が連載する同名作の映像化だった。俳優のムロツヨシ(48)を主演に吉岡里帆や月島琉衣、ディーン・フジオカら豪華キャストが決まっていた。
「脚本も完成し、あとはクランクインという状態だったんです。そもそも、この枠はドラマということでスポンサーを集めた。いまさらバラエティー番組や過去のドラマを放送するわけにはいきません。いずれにせよ4月27日にOA初回を迎える。そして6月29日までの全10話を放送するドラマコンテンツを1カ月で作らなければなりません」(前出の日テレ関係者)
この前代未聞ともいうべき中止発表が行われた背景に見え隠れするのが現在も尾を引くマンガ「セクシー田中さん」のドラマ化を巡るトラブル。昨年10月クールにおいて女優の木南晴夏(38)をヒロインにしたドラマ「セクシー田中さん」を巡り、原作者である芦原妃名子さん(享年50)が映像作品とマンガ作品にあまりにも納得できない部分があるとして命を絶ってしまった。
■特別調査チームを設置
26日に行われた日テレの定例社長会見では、同局は今月15日に、著作権問題に詳しい外部の有識者も交えた「社内特別調査チーム」を設置。同チームによる調査を今月23日に開始したことを明らかにした。
「今、版元の小学館や日テレに対し視聴者やマンガのファンから猛抗議が殺到している状態なんです。この事件を非常に重く見た小学館サイドがドラマ『たーたん』の脚本を再吟味した結果、原作に忠実でないシーンが出てきたそうです。また、時期も悪いということでドラマ化はお蔵入りになったというわけです」(出版関係者)
ドラマ「たーたん」の中止を受け、制作スタッフは大きな危機感を抱いているという。これまで築き上げた日テレと小学館との蜜月関係が崩壊しようとしているからだ。別の日テレ関係者はこう話す。
「編集サイドが重箱の隅をようじでほじくるかのごとく脚本をチェックするようになった。マンガと映像は似ているようで全く違うんです。さらに視聴率が取れる作品にするためにはただマンガをそのまんま映像化すればいいというわけではないんです。今回も『たーたん』を巡っては現場スタッフと編集サイドがかなり険悪なムードになってしまったそうです。小学館から愛想をつかされたらドラマや映画などの原作コンテンツを失ってしまう。講談社や集英社にはフジテレビやTBSが食い込んでおり、まさにゼロベースからのスタートになってしまうんです」