AYA SHIMAZU名義で世界デビュー 「歌怪獣」島津亜矢さんを巡る奇跡
21年、没後3年のアレサ・フランクリンの伝記映画『リスペクト』が公開された。公演先の地方都市でたまたま同作に出会い、アレサの人生と歌声に深い衝撃と感銘を受けた亜矢さんが「おそれ多いけどいつか私も彼女みたいな歌を歌ってみたい」という思いを抱いたことをぼくは知る。亜矢さんは知る由もないが、アレサのコーラスを長年務めたシシー・ヒューストンの娘こそホイットニーその人である。ホイットニーという名前もアレサがつけたもの。そこに幸せな奇跡を感じたぼくは、この無謀とも思える企画をプロデュースすることを決めた。
3月17日、島津亜矢は「アヤ・シマヅ(AYA SHIMAZU)」名義でアレサゆかりのアトランティック・レコード同系レーベルから世界デビューする。まず1曲目は、名画『ブルース・ブラザーズ』に出演したアレサが歌ったことでも有名な「シンク(Think)」。亜矢さんとぼくを引き合わせてくれたラジオ番組は残念ながら今月25日で終了するが、そこを起点として生まれたカバーはぎりぎりで間に合った。ここにもささやかな奇跡があると信じるぼくがいる。