志村けん、仲本工事、蛭子能収は違法賭博で平身低頭だったけど…マスコミも偉そうに言えるのか?
もうひとつ賭博問題の取材で印象に残っているのが、「8時だョ!全員集合」で全盛期だったザ・ドリフターズだ。競馬のノミ行為容疑、メンバーの志村けんさん、仲本工事さん(共に故人)が書類送検された時の記者会見。志村さんと仲本さんはひたすら謝るしかなかったが、フジテレビの女性リポーターの質問が特に手厳しかった。
「あなた方、馬券を頼む時に、(番組を)見てくれている子供たちの顔は思い浮かばなかったんですか!」
ふたりは非常に困った顔で黙り込んでいた。
僕は隣にいた記者に「馬券のことを考えていて、そんなこと浮かぶわけないよな」と軽口を叩いた覚えがある。
■「お金、賭けてますよね?」の問いにどう答えるか
また、1998年に漫画家でタレントの蛭子能収(76)が新宿・歌舞伎町の麻雀店で逮捕された。釈放時にマスコミ各社が集まって囲み取材となったが、蛭子さん待ちの現場でひと悶着あった。当時の男子ならその多くは学生時代から麻雀の経験があり、蛭子の方から「みなさんだって多かれ少なかれ、お金、賭けてますよね?」と問いかけられたらどう答えるかという問題だった。あるリポーターは「私は金を賭けないで麻雀をやっています」と言うと、言い出した。僕はそんなことがあるわけがないから、「経験がありますと正直に言うしかない」と主張してマスコミ同士でも意見が食い違ったのだ。
結果的に蛭子はそのことを尋ねることなく取材は終了したのだが、ひたすら謝る蛭子より、こちら伝える側の“姿勢”のことが記憶に残っている。
もちろん、違法カジノや金銭トラブルだけは困りものだが。