【特別対談】南野陽子×松尾潔(1)「同学年の人が今も活躍していることがうれしい」
■同学年の人が今もずっと活躍してることがうれしい(松尾)
松尾 僕ら同学年でしょう。奇麗事とか抜きで、同学年の人が今もずっと活躍してることがうれしいというのはありますよ。
南野 それもよくわかります。安心感ありますよね。だから、お会いするのは今日で4回目? もっと会っているような気がする。
松尾 最初にお目にかかったのが“演歌のプリンス”山内恵介さんの明治座公演のときでした。そのお芝居に南野さんも出演されていて、それもマドンナ先生役。終演後に恵ちゃんに紹介されまして。
南野 あの日、私は後半の歌のコーナーで歌詞を間違えたんです。そうしたら、松尾さんに「歌詞はちゃんと歌った方がいいよね」みたいに言われて(笑)。
松尾 そんな辛辣なこと言った? そこは、同学年ということで(笑)。同学年と一口に言っても、世に出るタイミングがそれぞれ違うから、実際の年齢とキャリアは比例しないでしょう。例えば、桑田真澄と清原和博の2人は、高1の夏にPL学園のエースと4番で全国制覇している。中学で野球部だった僕も、あれを見てさすがに同じ道は断念したもの。
南野 あの頃は私もデビュー前で、上京すらしてないです。上京したのが高2で、デビューしたのが高3。思い返せば、デビュー間際は両親に反対されたんだけど「私の人生は私が決める!」なんて言って押し切ろうとしたら、1個下の弟が「もし、売れんかったらどないするん?」ってボソッと言うんですよ。
松尾 弟さんが(笑)。
南野 「全部責任取らなあかんねんで。お姉ちゃんに責任取れるわけないやん」って言われると、「それもせやね、どないしょ、やめとこか」みたいな(笑)。
松尾 アハハ。じゃあ「この町を出てやる!」みたいなのはなかったんですか?
南野 ないない。それより「東京行ったら、これから毎朝、誰に起こしてもらったらいいの?」って(笑)。それでも、高2の夏休みに上京したんですけど。