「家族にも師匠(志の輔)にも話せない。それで、大師匠(談志)のお墓に行って、墓前に報告しました」
昨年秋、「笑点」の大喜利メンバー入りが決まってから8カ月間、晴の輔は沈黙を通した。
「おしゃべりの落語家ですから、誰かにしゃべりたい。でも口止めされてるので、家族にも師匠(志の輔)にも話せない。それで、言われたその日に、大師匠(談志)のお墓に行って、墓前に報告しました。大師匠が初代司会者の『笑点』に、孫弟子の僕がレギュラー出演することになりましたと。『おまえがか?』と驚くか、『孫弟子がなあ』と感慨深げに言ってくれるか、なんて想像しました。後になって、木久扇師匠から、『僕は談志さんに引っ張られてレギュラーになったんだよ』とお聞きして、その師匠の後釜になるのは因縁なんだなあと思いました」
今年の4月になって、ようやく師匠と家族に知らせることができた。
「師匠に電話をしましたら、いつもは低いトーンなのが、報告したとたん、『おー』っと高い声が。これまでに聞いたことのない高いトーンでした(笑)。『そうか。それは凄いことだ』と大変喜んでくれました。嫁に言ったら、『あ、そう。でもあたしは仕事やめないからね』とテンションが低い(笑)。コロナ禍の間、家計を助けるために働き出して、パートタイマーから正社員に出世したので、頭が上がりません」