語り草になった「武内のトランプ中継」 同期の有働由美子らとは交換日記で励まし合う
新人時代は同期と励まし合っていましたね。1991年入局の女性アナウンサーは多くて黒崎めぐみ(現NHK理事でアナウンサー)や有働由美子(現フリーアナ)や兼清麻美(現NHKアナ)、山本志保(同)ら7人。その後、局内で「平成3年はなんかすごいメンバーだね」と言われました。4月の2週間の研修後に各地に配属になるのですが、全国の局に通じる内線電話があるので、例えば、泊まり明けの日に朝の全国放送ラジオで同期の声が松山局に流れると電話して「今日泊まりだったのぉ?」と話したり。
交換日記もやっていたんです。私の元にノートが回ってきたら日記を書いて局内便で送るんですよ。局内便というのは映像テープとか資料を全国の局で郵送し合う協会内の配送システム。
書く内容は「今日はあんなことがあった、また失敗しちゃった」とその日の出来事。北から南まで7人のいる場所をノートが回っていました。女子高生みたいですが、同じ局に同期2人は配属されないから心細くて交換日記や電話で励まし合い支え合っていましたね。
何年か過ぎるとそれぞれの仕事が忙しくなり親密な関係ではなくなりましたが、例えば、スポーツの中継の現場で顔を合わせると「あー! 久しぶり!」と笑顔で手を振り合って積もる話に花が咲く。久しぶりに会う彼女たちの仕事ぶりにすごく刺激を受けてきました。ライバルでもあり、仲間でもあり、今もすごく大事な人たちですね。
(構成=松野大介)