吉永小百合の夫が亡くなった…結婚前後のサユリストの“熱狂と羨望と絶望”を振り返る

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 私は昭和20年生まれ。小百合も同じ年だが、早生まれなので、1歳上の姉貴。彼女を知ったのは連続ラジオドラマ「赤胴鈴之助」。映画「ガラスの中の少女」(1960年公開)で彼女に恋をした。彼女に会えるかもしれないと思い早稲田大学に入り、雑誌編集者になった。初めて会えたのは川端康成の葬儀の時(1972年)だった。手伝いに駆り出されていた私は、川端邸の裏門で弔問客を案内していた。そこに喪服姿の小百合が一人で現れたのである。案内することさえ忘れて、その美しさに見とれて立ちすくんだ。

 その後は、雑誌の表紙撮影で2度ばかり一緒になったが、言葉を交わすどころではなく、何もせずに呆けたように彼女を見つめていただけだった。だいぶ前、芸能リポーターの梨元勝(故人)に「小百合の亭主の動向」を秘かに調べてもらったことがあった。元気で散歩をしていますよといわれ、ガックリきた。私は紛れもないストーカーだった。

 私のようなサユリストたちに“監視”されていた岡田だったが、結婚後はあまり表舞台には出なくなり、女優の夫として“内助の功”を尽くしていたようだ。冥福を祈りたい。

 由緒正しいサユリストとしては、半世紀ぶりに一人になった小百合を、誰に気兼ねすることなく、思いきり抱き締めてやりたい。夢の中でだけど……。 (文中敬称略)

(元木昌彦/「週刊現代」「フライデー」元編集長)

【連載】週刊誌からみた「ニッポンの後退」

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