「手ぶらでは帰れないだろう」火野正平さんはワイドショーの仕事を理解してくれた
事実婚状態だったその女性のマンションにいることを確認して出入り口で待っていると、その女性が「カメラとマイクなし」という条件で自宅に入れてくれた。
そこに火野さんがいて「まぁ、ゆっくりコーヒーでも飲みながら話そう」と言ってくれた。「このコーヒー、すごくうまいんだ」と言ってはにかむ笑顔が忘れられない。
「オレはプライベートのことは話したくないんだよ。嫌だというのになぜ来るんだ?」
こう質問する彼に僕は「テレビ局は、歌がいいとかドラマが見たい人とか、ニュースを知りたい人とか、その中でも芸能人のスキャンダルに興味がある人のニーズもあります。僕らはその部分を担当しています」と説明させてもらった。
火野さんは考え込んでしまった。沈黙を破って僕は「先日、トーク番組でプライベートのことを話されていましたよね」と畳みかけた。
「あれは悪かった。義理があって出ざるを得なかった。よし! 二度とあの手の番組には出ない」
僕が「いや、トーク番組にも出ていいし、僕らの取材に少し応じてくれれば」と返したところ、こう提案してきた。