ラジオはアナウンサーではなく「パーソナリティー」という立ち位置なら、と引き受けた
NHKラジオに移ったのは2019年。毎日3時間半しゃべりっ放しは無理だと思ったが、蓋を開けてみると……。
◇ ◇ ◇
ラジオをやってほしいと、上司からある枠を提案された時は「毎日3時間半もしゃべり続けたら3日でネタが枯れる」と思いました。でも、上司は「どうしてもやってくれ」と。
だったら、アナウンサーではなく、「パーソナリティー」という立ち位置でなら、と考え直しました。つまり、アナウンサーという立場ではできないと思ったんです。放送でパーソナルなことをしゃべると「アナウンサーなのに、なんで自分のことをしゃべるんだ!」と視聴者の中には違和感を持たれる方もあるように感じていたので。アナウンサーは余計なことは言わないというイメージなのでしょうね。
でも、「スタジオパークからこんにちは」でインタビューしていた時も私がアナウンサーとしてではなく、ひとりの人間としてゲストの方の心に飛び込んでお聞きした瞬間に、「この話は初めてするけど」と心を許して話してくださることがあった。だから、ラジオでリスナーさんたちが自分の中の引き出しを開けて本音を投稿してくださり、それを受け止めるためには、私がまず自分のことを包み隠さずさらけ出すしかないと。それで「武内陶子のごごラジ!」「武内陶子のごごカフェ」と自身初の冠番組をやることになりました(後に「ごごカフェ」)。