2年連続出場ゼロでも「NHK紅白視聴率アップ」がSTARTO社に与える深刻な影響…SNS普及も思わぬ逆風に

公開日: 更新日:

 2024年大晦日の『NHK紅白歌合戦』2部の視聴率が32.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区。以下同)と発表された。前年を0.8%上回ったが、過去2番目に低かった。

「視聴者が驚くようなサプライズも特になかったですし、演出も地味な印象を受けました。正直、20%台に落ちてもおかしくないと思いました。逆にいえば、それだけ日本人には『紅白を見て年を越す』という習慣が身についているのでしょう」(テレビ局関係者)

 旧ジャニーズ事務所(現・STARTO ENTERTAINMENT)からの出場は2年連続ゼロだった。嵐の櫻井翔がスペシャルナビゲーターを務め、6組が出ていた2022年は35.3%だったため、彼らの不在の影響がないとは言えないが、大幅に下がったわけでもない。あるベテラン芸能記者はこんな見方をする。

「STARTO社の出場ゼロがNHK紅白に与える影響ばかり取り沙汰されていますが、実際には紅白不出場がSTARTO社にマイナス効果を及ぼすほうが大きいと思います。元々、旧ジャニーズ事務所はテレビという権威を上手く利用して、タレントの地位を上げていった。そのテレビ、しかも国民的な番組に自らノーを突きつければ、市場は確実に狭まる」

■テレビと共に繁栄してきたジャニーズ事務所の歴史

 旧ジャニーズ事務所はテレビと共に繁栄してきたと言っていい。特に1980年代以降、その傾向が強く見て取れる。79年の『3年B組金八先生』(TBS系)で人気を得た田原俊彦近藤真彦が歌手として成功。シブがき隊も『2年B組仙八先生』(同)をきっかけにブレイクを果たした。

「当時、若いアイドルは『砂利タレ』と言われ、低く見られていた。そんな彼らがなぜ、社会的な知名度を得られたかといえば、毎日のようにテレビに出ていたからです。そして、当時人気のあったTBS系音楽番組『ザ・ベストテン』で1位になり、権威のあった同局系『日本レコード大賞』で最優秀新人賞を獲得し、『紅白歌合戦』という日本で最も視聴率の高い番組に出場できたから、一気にジャニーズの名前が広まっていった。権威を手中にしたことで、『砂利タレ』という言葉で片付けられない存在になったのです」(前出のベテラン芸能記者。以下同)

 80年代にその名を広めた旧ジャニーズ事務所だったが、90年代前半は低迷した。91年デビューのSMAPは当初、少年隊や光GENJIなど先輩グループのような華々しい活躍はできなかった。

「当時は『ザ・ベストテン』などの音楽番組が揃って終了し、アイドル歌手が出演できるテレビ番組が限られていた。ゴールデンタイムに出られないため、知名度は上がらず、人気も伸び悩んだ。そこで、SMAPはバラエティにも積極的に出ていって、人気グループになった。『笑っていいとも!』で鍛えられた中居正広香取慎吾の力は大きかった。90年代にはアイドルを『砂利タレ』という人たちは、ほぼいなくなった」

 SMAP、TOKIOV6、嵐はソロ活動も精力的に行い、それぞれにバラエティで司会をできる人材も生まれた。

「80年代はまだ"国民的"の冠がつくグループは誕生していませんでした。ファン以外からすると、歌番組で見かけるだけの若い女性に人気のあるタレントという程度の認識だったかもしれません。90年代以降はあらゆるジャンルのテレビ番組に出て、老若男女に馴染み深い存在になったため、"国民的グループ"になったのです。旧ジャニーズ事務所は時代の流れに沿いながら、テレビという権威をとことん利用し尽くしてきた」

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    フジテレビ問題「有力な番組出演者」の石橋貴明が実名報道されて「U氏」は伏せたままの不条理

  2. 2

    中居正広氏《ジャニーと似てる》白髪姿で再注目!50代が20代に性加害で結婚匂わせのおぞましさ

  3. 3

    広末涼子容疑者は看護師に暴行で逮捕…心理学者・富田隆氏が分析する「奇行」のウラ

  4. 4

    広末涼子容疑者「きもちくしてくれて」不倫騒動から2年弱の逮捕劇…前夫が懸念していた“心が壊れるとき”

  5. 5

    佐藤健は9年越しの“不倫示談”バラされトバッチリ…広末涼子所属事務所の完全否定から一転

  1. 6

    広末涼子が危険運転や看護師暴行に及んだ背景か…交通費5万円ケチった経済状況、鳥羽周作氏と破局説も

  2. 7

    元フジ中野美奈子アナがテレビ出演で話題…"中居熱愛"イメージ払拭と政界進出の可能性

  3. 8

    芸能界を去った中居正広氏と同じく白髪姿の小沢一敬…女性タレントが明かした近況

  4. 9

    中居正広氏、石橋貴明に続く“セクハラ常習者”は戦々恐々 フジテレビ問題が日本版#MeToo運動へ

  5. 10

    広末涼子“不倫ラブレター”の「きもちくしてくれて」がヤリ玉に…《一応早稲田だよな?》

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ問題「有力な番組出演者」の石橋貴明が実名報道されて「U氏」は伏せたままの不条理

  2. 2

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  3. 3

    元フジ中野美奈子アナがテレビ出演で話題…"中居熱愛"イメージ払拭と政界進出の可能性

  4. 4

    中居正広氏は元フジテレビ女性アナへの“性暴力”で引退…元TOKIO山口達也氏「何もしないなら帰れ」との違い

  5. 5

    芸能界を去った中居正広氏と同じく白髪姿の小沢一敬…女性タレントが明かした近況

  1. 6

    中居正広氏と結託していた「B氏」の生態…チョコプラ松尾駿がものまねしていたコント動画が物議

  2. 7

    中居正広氏、石橋貴明に続く“セクハラ常習者”は戦々恐々 フジテレビ問題が日本版#MeToo運動へ

  3. 8

    中居正広氏が女子アナを狙い撃ちしたコンプレックスの深淵…ハイスペでなければ満たされない歪んだ欲望

  4. 9

    中居正広「華麗なる女性遍歴」とその裏にあるTV局との蜜月…ネットには「ジャニーさんの亡霊」の声も

  5. 10

    SixTONES松村北斗 周回遅れデビューで花開いた「元崖っぷちアイドルの可能性」