2年連続出場ゼロでも「NHK紅白視聴率アップ」がSTARTO社に与える深刻な影響…SNS普及も思わぬ逆風に
性加害報道をきっかけに23年の紅白出場がゼロに
事務所の副社長だったメリー喜多川氏はそのタレントパワーを利用して、テレビ局に圧力を掛けて思うままに操り、時にはスキャンダルを揉み消してきた。だが、2021年のメリー氏の死去に伴い、事務所のパワーは薄れる。23年、かねてから一部では問題視されていたジャニー氏の性加害問題がBBCの報道をきっかけに広まり、年末には所属タレントの『紅白歌合戦』出場がゼロに。24年にはNHKが旧ジャニーズ勢の起用再開を発表したが、『紅白』には1人も出場しなかった。
「NHKはSnow Man、King & Princeの出演を依頼したようですが、STARTO社は『今まで干しといて急に手のひらを返すなんて』と拒絶したようです。『ジャニー喜多川が築いた"アイドル帝国"の実像に迫る』という『NHKスペシャル』の内容に、STARTO社が納得しなかったためとも囁かれています」(前出のテレビ局関係者)
このまま、STARTO社はNHKに対して意地を張り続けていくのか。
「事務所は『アイドルという存在は、社会に受け入れ難い世界観がある』というくらい謙虚に臨んだ方がいい。タレントが虚像を演じ、ファンはそれを信じて熱狂するわけですから。普通に考えれば、浮世離れした世界です。繰り返しますが、ジャニーズがメジャーになったのはテレビという権威に認められたからです。たしかに、現在のテレビにはかつての力も権威もない。とはいえ、『紅白』は未だに視聴率30%を超えます。国民的な人気番組や全国放送のNHKに出ないという選択は、STARTO社のタレントをマニアックなものにしてしまう。今までのようにテレビを大事にしないと、一部のファンが騒いでるだけの存在になってしまう恐れがある」(前出のベテラン芸能記者。以下同)
しかも、今のSNS時代とSTARTO社の相性は良いように見えて、そうでもないという。実際、ファンの積極的な発信が仇になっているケースも見受けられる。
「いわゆるジャニオタは他人への攻撃性が高い人もいて、周りから見ると非常に排他的に感じられます。声に出さないだけで、彼女たちの言動に引いているネットユーザーは少なくないでしょう。テレビ中心時代、一般人はジャニオタの存在をスルーできました。リアルで目にしても、別に関わらなければ問題なかった。しかし、SNSが普及した今、一般人もジャニオタからいきなり攻撃される可能性がある。もちろん誹謗中傷をしていれば別ですが、普通の意見に噛み付くようなファンもいる。そうした、ファンたちの"正義"自体が"誹謗中傷"になっているケースも多々あります」
SMAP以降のタレントがテレビの中心にいたことで、ジャニーズのタレント、ファンと一般人の距離は縮まっていた。しかし、テレビの衰退、SNSの発展がその差を再び広げるきっかけになっているというのだ。
「SNSでの行き過ぎたファンの行為が続けば、『別にタレントは嫌いではないが、あの界隈には関わりたくない』という感情を抱くネットユーザーはますます増えていくでしょう。ジャニオタたちは自らのSNSでの発信を絶対的な善と思いがちですが、マイナスになっていることも頭に入れておいたほうがいいのでは。中には、普通のファンもちゃんといるんですけどね」
2025年、STARTO社はNHKに振り上げた拳を下ろしたり、ファンの暴走を制御したりしないと、所属タレントがどんどんマニアックな存在になってしまうかもしれない。
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