フジテレビ問題で使われる「上納」に違和感…そこに女性の意思はなかったのか、なぜ断らなかったのか?
元タレントの中居正広氏の女性トラブルに際し、フジテレビのAプロデューサー(人事局付)が誘った複数人の会食をA氏がキャンセル。中居氏以外の参加者が現れず、その後、女性は意に沿わない性的行為を受けたと報じた週刊文春。その後の取材で「(女性は)中居に誘われた」として、A氏のセッティングではなかったことを“お詫びして訂正”した。A氏の行動が根源となってフジテレビ全体が大激震となっていたのだから、単に訂正だけでいいのだろうか。
僕は週刊文春が使った「上納」(1月23日号、1月30日号)という言葉に非常に違和感を持っていた。そこに女性の意思はなかったのか……。
中居氏から「ひとりだけど、おいでよ」と自宅に誘われた時、「では、また別の日に誘ってください」と言って拒否する選択もあったはず。こうしたやりとりは独身男女の間では普通にある話でもある。
僕は長く日本テレビのワイドショーで仕事をしてきたが、若い頃、当時の看板女性アナだった石川牧子さんがサブキャスター、僕はリポーターとして共演していた。
当時のチーフプロデューサーと若い石川さんが会議中に大きな言い争いとなって一歩も引かなかったことを思い出した。石川さんは後にアナウンス部長になった。その時の新人アナが生放送のニュース原稿を「日本海(にほんかい)」と読むところ、「にっぽんかい」と読んだことに激怒していた。指導していたベテランアナに対しても「教育係が何やってんのよ!」と叱った。その指導役のアナウンサーは「僕は別に、社会科の勉強を教えているわけじゃないよ」と泣き顔だった。