ルシファー吉岡さん R-1グランプリ決勝7回…「1位通過した昨年は『俺の年か』と優勝を確信した」
芸人は食えないか、お金持ちになれるか2択の職業ではなかった
──2018年にお聞きした際はファミレスでバイトしていたというお話でしたが。
その頃がバイトしていた最後で、その後は芸人だけで生活できています。たまたまこの前、そのファミレスのある道を通ったら店がなくなっていて駐車場になっていて、時の流れを感じました。
生活できるようになったことはすごくありがたいんですが、思っていたのとはなんか違うなと感じましたね。お笑いを始める前のイメージだと、芸人は食えない時代はあれど、食えるようになったら月に100万とか稼ぐ売れっ子になれるんだと思っていましたから。
「食えないか、お金持ちになれるか」の2択の職業だと。でも、実際はやっと生活できるところから緩やかに収入が増えるという、サラリーマンのような昇給の仕方でした(笑)。僕がそこまで売れなくて中途半端な位置だからなんですけど「思っていた芸人のイメージとは違うな」と。意外と現実的な暮らし方。安定しているのはうれしいですよ。
──今年の目標はありますか。
6月に単独ライブを行うんですが、今後は全国でやりたい。まだ東京でしかやったことがないですから。
それとバラエティーでは寝起きドッキリの仕掛け人をやりたい。昔はスターのドッキリ番組がありましたよね。10年前までは寝起きドッキリコーナーもほそぼそと存在していた気がするんです。僕はイジリー岡田さんがアイドルの泊まっている部屋に行き、アイドルが寝る前に使ったかもしれない歯ブラシに顔を近づけたりとか好きだったんですよ。ああいうバカバカしいことをやってみたい気持ちもあります。時代的にかなり難しいでしょうけど、でも、「ルシファーならやってもいいよね」と言われるようになれたらうれしいです。
R-1は来年に8回目を目指して頑張りたい。決勝に行けた時のうれしさが年々減ってきたというか、うれしさより「ああ、よかった」とホッとする気持ちが大部分なんです。周りも驚きがなくなっていますし。喜びというご褒美がなくなってきた分、しんどくなっている。でも、たぶん来年も目指すと思います。
(聞き手=松野大介)
▽本名・吉岡大輔(よしおか・だいすけ) 1979年10月生まれ、島根県出身。東京電機大学大学院修了後、サラリーマンを経て2008年から芸人活動。R-1グランプリに7回出場。バラエティーなどで活躍中。単独ライブ「Re」 6月20日&21日(中目黒キンケロ・シアター)。詳細はマセキ芸能社HP。