ディック・ミネ 70歳で4人目の妻と息子をお披露目
<1978年12月>
12月5日、都内のホテルで、10月に70歳を迎えたディック・ミネのディナーショー「古希を祝う会」が開かれていた。チケットは1枚3万円。当時としてはかなりの高額にもかかわらず、全430枚は売り出しからすぐに完売した。
「ダイナ」「人生の並木路」「夜霧のブルース」など往年のヒット曲に会場は盛り上がったが、集まったファンの目的は歌だけではなかった。その日、ミネが新たな家族をお披露目するとのウワサが流れていたのだ。新妻の則子さん(当時41)と10歳になる坊やが登場すると、ファンたちはやんやの喝采を浴びせた。
ミネにとって則子さんは、籍を入れた女性としては4人目、内縁関係を加えると、5人目の妻だった。この5人の妻との間に10歳の坊やを含め、10人の子どもがいた。
前年夏、3番目に入籍した夫人と協議離婚。以来、則子さんと暮らし始めるのだが、それまでの交際期間は20年をはるかに超えていた。初顔合わせは則子さんが13歳の中学生の時。ミネが以前付き合っていた女性の妹と同級生だった縁で出会った。ミネは後にその時から則子さんに目を付けていたと述懐している。