泉谷しげる 過激発言でワイドショー打ち切り
ゲストで呼ばれたのは当時24歳の泉谷。前年末のデビューアルバム「泉谷しげる登場」が10万枚を超えるヒットとなり、さらに日比谷野音コンサートで1万人以上を集めるなど泉谷は人気沸騰中。フォーク歌手はテレビを拒否する人がほとんど。泉谷の曲も皮肉たっぷりの反戦歌「戦争小唄」が放送禁止指定になっていることもあって、注目の人選であった。
ところが、破天荒で知られていた泉谷はおとなしく収まっていない。規制側代表として「放送禁止歌」を決める民放連音楽専門部会員もゲストで来ていたが、その面前で暴走して「戦争小唄」を実演。続いて「ドテ」「ツボ」と女性器の表現もある「先天性欲情魔」(後に放送禁止に指定)をも堂々と歌い、会場を騒然とさせる。
この番組には生CMコーナーがあったが、泉谷は「番組にスポンサーが口だして大きな顔をするのは時代遅れ。くだらないCMなんてやるな」とほえ、生CMの商品である鶏肉の缶詰を「こんなもんうまいはずないじゃないか」と言い切った。大騒ぎのスタジオの様子もそのまま放送された。
それでも、スポンサーからは表立った抗議はなかったというが、これが問題とされ、6年間続いた番組は9月いっぱいで打ち切りが決まる。泉谷は当面の日本教育テレビ出演禁止、ディレクターは事実上左遷の配置転換という重大処分となった。