【独自】「タクシーの中で偉い人に体を触られ…」アイドリング!!!元メンバーが過去に受けていた不適切な行為
芸能界で"上納"が起こる理由「成功したときのリターンが大きい」
なぜ芸能界には、女性を"上納"する文化が根づいてしまったのか。遠藤さんは、芸能界の権力構造に潜む問題点について指摘する。
「一般企業では、社長と新卒社員が親密な関係になったとしても、さすがに新卒からいきなり部長に昇進したりしませんよね。でも、芸能界では権力者に気に入られたら、無名なタレントがいきなり有名な番組に出られる可能性もなくはないからです。成功したときのリターンが、一般企業よりも大きいように感じます。
上納する側からすれば、自分たちは上の人に気に入ってもらえるし、女性側にも大きなメリットがあるだろうと、ある意味でよかれと思ってやっているケースもあると思います。実際、自分の体を武器にのし上がろうとする人が芸能界にいることも否定しません」
こういった芸能界の体質について、遠藤さん自身も「ある程度は仕方ない」と受け入れていた部分があったという。
「私も変に染まってしまっていたというか、業界の中でそういうことが"あるある"だから、多少は飲み込まなきゃいけないと思っていました。でもやっぱり、性が絡むことで誰かが偉くなったり、得をしたりするというのは、時代的にもなくしていかなくてはならない。特に、私は女性アイドルに歌唱指導をしているので、彼女たちのような若い世代の人たちが変なトラブルに巻き込まれるのだけは我慢できません」
■「被害に遭ったら声を上げていい」と思えるように
一方で、遠藤さんの現役時代に比べ、世間が真っ当な方向に変わっていると実感する場面もあるという。
「先ほどお話ししたハラスメントも、あの頃は友達にすら言えませんでした。今まですごくお世話になった人だし、『ちょっと体を触られたくらいで』とずっと我慢していた。でも、世の中の空気感が徐々に変わってきていて、誰が相手でも被害に遭ったら声を上げていいし、過去にあった辛い出来事も打ち明けていいんだと思えるようになりました。知らないところから矢が飛んでくることも多いけれど、理解して寄り添ってくれる人は必ずいます。私もDMやLINEなどでたくさん応援の声をいただきました」
遠藤さんが芸能界を引退してから7年以上が経過した。いまは女性アイドルを育成する立場として、業界を裏側から支えている。芸能界に対して思うところがあっても、自身が歩んできたキャリアに否定的な気持ちは一切ないという。
「過去の積み重ねがいまのキャリアに繋がっているので、『これをしなければよかった』と思うようなことは一つもありません。私はすごく歌が好きだけど、人前じゃうまくパフォーマンスを発揮できないのが悩みでした。だから、人に歌の楽しさを伝えるボイストレーナーという仕事は天職だと思っています。これから芸能界で戦っていく生徒の皆さんに、今後も誠心誠意向き合っていきたいです」
(取材・文=渡辺ありさ)
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