「大人のADHD」は睡眠時無呼吸症候群かもしれない
こう話すのは、九州・福岡で発達障害の専門クリニックを開く「パークサイドこころの発達クリニック」の原田剛志院長。ADHDは「不注意」と「多動性・衝動性」の2つ以外の症状も非常に多く見られ、患者が10人いれば10通りの悩みがあるという。
ところが、「大人のADHDとはこういうもの」という概念がひとり歩きしていて、実はADHDではないのに「大人のADHDです」と診断されているケースが珍しくないのだ。
■「いつから」が見極めのポイント
原田院長がその中でも特に増えていると感じているのは、「睡眠時無呼吸症候群」との誤診だという。
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸停止を繰り返す病気。睡眠時間の長さに関係なく、質の良い睡眠を取れていないため日中の集中力が低下し、眠気が続く。多数の死者が出た交通事故の原因が睡眠時無呼吸症候群だったという報道もあり、一気に認知度が広がった。
また、睡眠時無呼吸症候群を放置すれば、心筋梗塞などの突然死のリスクが高くなることも明らかになっている。